2018年1月8日月曜日

旅への郷愁

 先日、図書館から一冊の図書を借りてきました。
「世界の作家が愛した風景」発行元バイインターナショナル。
----あの作家は、どこでどんなふうな風景を見たのだろう?
本書では、世界の著名な作家、紀行作家の著した小説や紀行文、エッセイなどの登場する、作家が愛した、もしくはゆかりのある世界各地の美しい風景を、思わず行ってみたくなる綺麗な写真で紹介します。----
このような、紹介がありました。
写真集は、その画像の美しさを見る楽しみがあります。
そのようなことから、借りてきました。

著名な作家は、若かりし頃にふれた書物や学生時代に聞き知った作家でした。
風景写真をめくるたびに若かりし頃にもどりました。
懐かしい生活や思い出が沸き起こってきました。
そして、それらの美しい異国の風景が、自分の2年間の世界旅行の風景と重なりました。
24歳のときです。
そのときの何の恐れも知らない若さが思い起こされます。
今想うと、愛おしい自分です。

私の知人に癌から治癒した者がいます。
しかし、その癌は再発の可能性が高く、5年の延命率が少ない癌です。
彼は、ひとり旅にでます。
旅を楽しんでいます。
しかし、その想いは、健常者の旅の楽しみとは、異なるようです。
うつくしい風景に向き合いながら、自分自身と向き合っているのだろうと思います。
私も同じです。
悪性癌になり、治療から1年と数か月が過ぎます。
再発率は、低く、元気だった頃の体力に戻りつつあります。
彼の心境が、分かるようになりました。
写真を見ていると無性に旅にでたくなりました。

西行や芭蕉など歴史上には、俗世を離れて、旅に出た方々が、多くいます。
日本人に限らず詫び寂びの世界は、生死の無常感があるように思います。
死を目前にして、自分自身と向き合うことが、詫びの世界に導くことになるのかと。
「旅への郷愁」。
それが、今の私の心境です。
若かりし頃の旅のスケッチをご紹介します。

手仕事専科 http://tesigotosenka.com
旅のスケッチ http://tesigotosenka.com/sketti.html

01.11.1974
Toledo
07.08.1974
Bleiswuk
05.09.1974 スコットランド
CopelCurig
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2018年1月5日金曜日

書--美の感性

昨日は、私の書道の塾の日でした。
月に3日ほどの塾通いです。
昨年の4月からのスタートですので、9カ月が過ぎたことになります。
上達度は、富士山のすそ野を歩いているようで、まだ、何も見えません。
視界ゼロ。
山頂への道は、少し分かってきました。
書は、篆書、隷書、草書、行書、楷書・かなと字体が、わかれますが、私は、まず、楷書に入りました。
ブログで、美しい文章をかくために和歌・俳句に関心を持ち、それらの本を読んでいるうちに美しいかな(古筆)に出会いました。
そして、「かな」を書けるようになりたいと思ったからです。
藤原俊成書
顕広切
藤原俊成(1114~1204)が書いた古今集は顕広切のほか、
御家切(おいえぎれ)・昭和切・御物本古今集・了佐切(りょうさぎれ)の
5種類が現存するが、
そのうち最も若いころに書かれたものである。
俊成は54歳まで顕広と名のっており、
そのころに書かれたので顕広切と呼ばれる。

昨日は、習い終わって先生との雑談になりました。
私は、「藤原俊成のかなが好きです。」と話しましたが、先生は、「好みであり、また、やっているうちに変る。」とも言いました。
それは、目が肥えるか、それとも、単なる好みの変化なのか。
先生は、「中国の書(漢字)から、どうして、このような美しい’かな’文字が生まれたのでしょうね。」と感嘆していました。
日本人の色や形、言葉に対する感性は、優れたものです。
私たちの祖先は、長い年月を経て大陸からやってきたのでしょうが、縄文人がおり、弥生人に変り、現代に続きます。

私たちは、筆を持たなくなって、随分となります。
江戸時代、明治、大正、・・・と筆は、主要なものでした。
しかし、今では、もつ機会が少なくなりました。
この後、書の美しさを愛でる、書の美しさがわかる感性(審美眼)は、衰えてしまうように思います。
「味は、三代」の言葉があります。
味覚は、3歳から9歳の間に決定づけられるといいます。
その時の味覚が、その後の味覚の基になります。
調理人の味覚は、その後に経験をいかに経ようとも成長することはありません。
包丁さばきは、数年、盛付も8年もあれば、習得できます。
しかし、味覚は、子どものときに身につき生涯変わらないといいます。

言葉や、美の感性(審美眼)は、普段生活の中で、培われる物かと思います。
手仕事専科では、「和美との生活」を提唱しています。
それは、「私が、美しいものを好きだ。」ということが、スタートです。
美しいもの、「美の世界」を知ることから、発展してきたからです。
那須の田舎育ちで、なんら美に囲まれていたわけではありませんが、好きでした。
那須という自然が、そうだったのでしょうか。
私は、先祖のDNAだろうと思っています。
祖父も叔父も書が、優れていました。
絵も上手かったといいます。
五代前に富山県砺波地方から、移住してきたご先祖は、そのような血を持っていたのだろうと思います。
確信します。

美に対する感性は、育てて行くことが大切に思います。
美術館であり、生活の中にそれらの物を愛で、培ってゆくことが術になるでしょう。
自然の四季の移りやそれを愛でる行楽、文化に親しむ行事など大切に継承して行くことが、重要です。
かつて、フランスでは、マクドナルドが出店する際に反対運動がおこりました。
それは、フランスの文化にアメリカの文化(ファーストフードの食文化)が、そぐわないと思ったからです。 
日本では、なし崩し的にすべてのものが、敗戦をきっかけに雪崩れ込みました。
そして、旧来からの文化も主体性も破壊し尽くされました。
戦後70年が過ぎて、アメリカ(西欧の文化)の力に蹂躙され、家畜化されていても何ら気づくことはありません。
悲しいながら、混沌としているイスラム国の方が、まだ、主体性を保っているように思います。
和美との生活」は、歴史とそして、現実を知ることからスタートします。
私たちのもつ伝統と文化を未来につなげて行きたいと思います。
その母艦が、手仕事専科です。

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2018年1月2日火曜日

楽しみの手作りストール(会津木綿)

昨年から、いやもう一昨年になるでしょうか。
西東京市の方から、手仕事専科山田木綿織元会津木綿の御注文がありました。いつも品番から選ばれて、織り上がるまで1カ月位は、お待ち頂いておりました。
その後、数反ずつの御注文になり現在も続いています。
代表の方からお話を伺うと東日本大震災の東北支援グループで、会津木綿からストール(マフラー)を作られていたのです。
西東京市には、福島からの避難施設があり、その方々と好きな縞柄のストールを自分用に作られていました。お喋りをしながら、とても楽しい時間を過ごしておられるようです。昨年の夏に作品の展示即売会を銀座松屋で行ったといいます。
残念ながら、時間が取れずに銀座まで伺うことが出来ませんでした。

お話では、「会津には、株式会社IIE(イー)さんという企業があり、すてきなストールを販売されているのですよ。」ということで、IIE Labのhpを拝見しました。
それは、とてもすてきな縞柄のストールでした。IIEブランドとして、商品展開を行い会津木綿の良さを情報発信しておられました。
*ストールの巻き方  https://store.shopping.yahoo.co.jp/iie/a5a859b2ac1.html

それ以来、手仕事専科でも会津木綿のストールを取扱いたいと考えておりました。
昨年の早春の頃にストール向きの縞柄を8種類選定し、ストールづくりをスタートしました。湯通しをし、ストールの端は、フリンジ(frange)で整える内容です。簡単そうですが、手間がかかりそうです。
会津木綿の和雑貨は、当サイト「手仕事専科」の富士商店さんに依頼しているので、お願いをしました。初めての試みから、グレーの縞柄をお願いしました。
仕事専科」のタグを付けました。
出来上ったものは、すてきなものでした。
さて、残りの7種類を自分で作ることにしましたが、この冬に始めしました。

周りの方に訊くと・ストール(長さ185cm位)は長く上着のうえに羽織るもので、・マフラー(長さ165cm位)は、少し短めで直接首に巻くものといいます。
男性の方は、知らないでしょう。(私もでした)
女性には、ストール。
自分用には、マフラーになりますが、すてきな色取りです。
作り方といくつかの色取りを画像でご紹介します。
ひとつ作るのに2mの反物(長さ2m×巾37cm)を使います。

[二日で出来るストール作り]
・湯通し     お湯でもみ洗い・日陰干し      1日工程
・切取      お好みの長さに
          本体の長さ+フリンジの長さ
          ストール  180cm+7cm×2(両端)
・フリンジ    フリンジは、括ると6cmになります。 1日工程
 終了                            計  2日
つくる楽しみを知った私の嬉々とした姿をご紹介できないのが残念です。
 山田木綿織元 http://tesigotosenka.com/yamajyuaidumomen.html
富士商店    http://tesigotosenka.com/hujisyouten.html
手仕事専科   http://tesigotosenka.com

完成形 ストール(マフラー)
会津木綿品番№574
反物 縞574 
1反 ¥7,500
 
丈12m×37cm
 ■商品コードA-23574■
     
注文(メール)

湯通しをした後は、
端は、このような状態になっています。

太めの針で、一本一本横糸を
解します。
これもコツがあり、
慣れると簡単に横糸を外すことが出来ます。
手仕事の本質
「創意工夫」と「手際の慣れ」を
覚りました。
フリンジに括る幅ですが、
横幅35cmですので、
10mm幅で35本となります。
8mm幅で44本です。
本数が、35本位ですと存在感
45本位ですと薄い印象となります。
本数は、お好みです。
完成
同じ品番のネクタイもあります。
品番№574
・品番№574
 ¥4,800  
最大巾8cm×長145cm(標準サイズ)
 ■商品コードA-23012-14■

注文(メール)
8種類の会津木綿
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